便秘の治療としての下剤 ~ 便秘と大腸癌(大腸がん)

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便秘の治療としての下剤

便秘治療の基本


便秘治療には病歴が重要です。

まず患者の訴える“便秘”がどのようなものかを把握します。


腸管閉塞,薬剤,内分泌・代謝疾患,精神・神経疾患,極端な生活習慣など二次的に便秘を来す原因も,多くは病歴で把握でき,特異的な原因治療が可能となります。


特に過去3カ月以内に発症した便秘は二次性のことが多い点に留意します。

原因となります疾患が考えがたく,患者の訴える“便秘”が排便困難,硬い便,残便感,摘便の必要性,週3回未満の排便などの要素を有しますことが多ければ慢性便秘症と診断できます。


繊維の多い食物と十分な水分摂取を促し,適度の運動,過度のストレス回避,排便習慣の確立などの生活指導を行った上で,軽症例では長期的に最も安全な膨張性下剤を開始しますことが望ましいです。


効果が不十分であれば塩類下剤を併用します。

刺激性下剤は迅速な効果が患者に好まれる(処方医にも好まれる)傾向にありますが,副作用を考えて長期連用は避け,必要最小限頓用しますようにします。

米国の慢性便秘治療のガイドラインによれば,十分なエビデンスがあり推奨グレードAとされるのはポリエチレングリコール電解質液(ニフレック)のみであり,わが国で使用可能な各種下剤の効果に関してはエビデンス不十分で,いずれも推奨グレードBにとどまっています。

この点も念頭に置き,下剤の濫用を慎むようにします。

服薬指導上の注意


●定められた投与量や回数を守らせる。

●刺激性下剤に依存する危険性を理解させる。

●一部の刺激性下剤により尿の色調変化があることを告げておく。


看護上の注意


●排便習慣の確立,運動,高繊維食,水分摂取の重要性などにつき説明します。

●排便は自然な行為であり,決して恥ずかしいものではないことを伝え,精神的に支援します。


訪問診療の場合の注意


●訪問診療患者の多くは,多種の薬剤を服用していますので,医原性の便秘に注意します。

種類でいうと安定剤、かゆみ止め、抗うつ剤(これは患者さんに伝えずに出されている場合もあります)

自ら訴えることの少ない患者では排便回数に注意します。

宿便により重大な合併症をきたすことがあります(潰瘍,出血,穿孔など)。

 

塩類下剤

●慢性便秘の長期治療に適した薬剤であり,錠剤が市販されるようになって服用も容易となりました。

●長期的な視野に立って必要量を定める必要があります。

●頻繁に投与量を調節したり患者の自己管理に任せきりにしますと,投与量の過剰・不足を繰り返し,適正量を把握しにくくなります。注意が必要です。

●通常の投与量では問題となるほどの電解質異常を生じることは少ないです。

●ただし,重症の腎疾患心疾患のある症例では注意が必要です。原則として長期投与を避けた方が無難です。


膨張性下剤


●高繊維食による自然な排便促進作用を,薬理的に行うような薬剤です。

●安全性が高く,特に軽症の慢性便秘には理想的な薬剤と言えます。しかし、頑固な便秘にはあまり効きません。

●服用しづらいこと,十分な効果が得られない例がある・・などの欠点もあります。


大腸刺激性下剤


●比較的服用しやすく,速やかに良好な効果が得られるため,患者に好まれます。

●習慣性を有し,長期濫用される傾向にあります。

●過剰投与により電解質異常や脱水などの副作用を生じえます。

●長期連用により,腸管の形態的・機能的障害をきたすことが問題点とされていましたが,このような副作用を否定する最近の実験的・臨床的報告もあります。

●いずれにしろ必要最少回数・量を投与すべきと考えられます。

●適切に用いれば有用性はきわめて高い薬剤です。

 

その他

ニフレックは大腸検査・手術のための標準的な腸管前処置薬となりました。

マグコロールも同様に標準的にはなりましたが、マグネシウム(Mg)を大量に含有しているため、腎機能、心臓に問題がある方については完全に安全とは言えない場合があります。

●薬理的な副作用は少ないが,大量の液体投与に伴う機械的な副作用が知られています。

●腸閉塞や腸管穿孔などの重篤な副作用も報告されています。腸閉塞を疑わせる症状があれば,画像検査などで評価する必要があります。疑わしい場合は投与は避けるべきです。

●添加物や併用薬により特質を損ねる可能性があることに留意します。

●ビジクリアは,より受容性の高い大腸内視鏡検査前処置薬ですが,水・電解質の変動に注意します。特に透析患者さんでは使用しない方が良いでしょう。

P(りん)が多量に含まれており、Caを含めて電解質異常が起こりやすい下剤です。正常人ではまず問題は起こりませんが、透析を常時受けているような方には問題がない・・・と断定できません。

この薬は10年以上まえ(1990年代)に自分が初めて日本で報告した薬剤でその時は日本では「カイゲン」という会社に製品化を検討してもらいましたが (おそらく採算があわない・・・のが主因とおもいます・・・) できませんでした。残念・・・

●ビジクリア(R)に起因します急性腎不全が報告されています。高齢の水分摂取不良例は要注意です。十分な水分摂取が必須です。


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